かにみそなまこをつまむ。

40代男子の日常、昔の思い出などについて、現在休載中

平日の朝

 火曜日の朝、すごく早くに目覚めた。目覚まし時計を見ると、4:30。でもすでに空は明るい。もう夏至る、だ(6月13日現在)。

 痛風が再発して、足が痛かったので、ここ最近リングフィットアドベンチャーをやっていなかった。痛みもましになってきたから、そろそろ再開しようと思ってた。よし、朝からいっちょ運動するかと、起きた。

 ら、玄関に燃えるゴミが置かれていることに気づいた。そうだ、今日は燃えるごみの日だ。昨夜、妻がまとめておいてくれたのだ。窓の外の光の具合から、晴れてそうだった。なんだか外に出たい気分になった。まず、ゴミを捨てに行こうと思った。

 外は曇りだったが、オレンジ色の、朝の色につつまれて、美しかった。しばらく雨が続いていたから、こんな色は見られなかった。ゴミ捨て場まで歩いたあと、考えた。家に帰ってリングフィットアドベンチャーをやるのもいいが、散歩をするのも気持ちよさそうだなー。

 どっちにしよう。

 迷ったら、心のままに動く。自然と足が、家の前を通りすぎた。このまま歩こう。雨あがりの匂いには、森の匂いがたくさん含まれている。土や草木の匂い。もっと森の匂いがかぎたくなって、つられるように町のはずれの山の方へと向かった。

 私の住んでいる町は、山を切り拓いて作られた。少し歩くと、小川のながれる谷があって、そこら一帯は完全に山である。近くに山があるというのはいい。最近ますます山が好きになってる。

 山からは湯気のような靄が上がり、いたるところで生き物の気配がした。朝は活発に動いているのだ。鳥の鳴き声があちこちから聞こえ、狸やイタチらしき動物の、新しい糞が落ちている。6月の、この時期の山はやる気に満ちている。雨水をたっぷりすいこんで準備万端、いつでも太陽来い、といった感じ。日が差せば、ここぞとばかりに葉を広げ、枝を伸ばし、幹を膨らませるのだろう。

 トゥルルルルル、と近くでキツツキの、木を打つ音がした。キャンプの朝に聞いたことはあったけど、実はこんな近くにもいたのだ。子どものころ、憧れの鳥だったことを思い出した。キツツキは、図鑑や童話の中ではメジャーなくせに、いっこうに現実世界に現れなかった。

 1時間ほど、朝を満喫して帰ってきた。でも、まだ6:00だった。仕事に行くのは7:15ごろ。なんだか嬉しさがこみあげてきて、ひひひと一人で笑った。