本が好き② 君のクイズ
久しぶりに冒険した。
以前も書いたかもしれないが、私は本を買うとき、なるべくはずれないよう、ネットの書評を参考に選ぶことが多い。だから、自然と、ひと昔前のベストセラーを買うことが多い。新刊を単行本で買うことは少ない。もっともお気に入りの作者の場合、新刊で買うことはあるが。
が、今回、本屋で紹介文を読み、数ページ試し読みしただけで、新刊の単行本を買ってしまった。「君のクイズ」という本。
「君のクイズ」は、その名のとおり、テレビ番組等の早押しクイズを題材にした小説だ。早押しクイズという知ってそうで、知らない世界のことが書かれているところに惹かれた。私にとって例えば将棋とか野生動物とかピアノとか、ちょっとだけ知っているけど詳しくは知らない世界を舞台にした小説というのは、これまで、たいてい面白かった。
それに加えて、ミステリーっぽさがあった。
クイズ大会の決勝戦で、主人公のライバルである天才が、問題を読み上げる前に早押しボタンを押し、正解する。結果そのライバルが優勝することになるのだが、なぜ彼は問題を聞く前に答えることができたのか。テレビ番組のやらせだったのか。戦いにやぶれた主人公がその謎にせまっていく・・・。
といった感じの紹介文である。
知的好奇心×ミステリー
もう、こんなん絶対面白いやろう!
文庫本に比べて単行本なんて割高だが、そのときは、本に飢えていたし、はずれない自信があった。
で、結果は・・・。
面白かったよー!
二日間、ずっとワクワクが止まらなかった。
不満を言えば、物語の終わり方がちょっとなーと思った。あっさりしすぎてるというか、急展開すぎるというか。でも、そこに行きつくまでがすごく面白いので、全然、問題ではない。むしろ、面白すぎて、あっという間に読み終えてしまったことが不満だ。
自分の力で選んだものが本当に面白かった、というのはうれしい。
リスクを考えず、新しいものにどんどん挑戦して、誰よりも早くいいものを、自らの力で探し当てる。そんな人に対するあこがれがある。
いつまでもネットの書評に頼らず、知る人ぞ知るような隠れた名作に自分の力でたどりつける、そんな嗅覚を、ちょっとずつでも身につけていきたいなあ。