かにみそなまこをつまむ。

40代男子の日常、昔の思い出などについて、現在休載中

子育てマニュアル

 またやらかしてしまった。先週反省しまくったはずなのに、今朝長女を怒ってしまった。

 今朝、起きてきた長女の機嫌が悪かった。昨日、今日の準備をせずに寝てしまったことが原因らしかった。

 朝の支度をする私の側で、長女が妻に八つ当たりをする。イライラしつつも、先週の反省を思い出す。そうだ、理由を聞いてあげよう。

「〇〇、どうしたの?」

「知らん。」

「何が嫌なの?」

「知らん。」

「ママに、えらそうにしないで。」

「知らん。」

 私はキレた。

 長女の癇癪は、まちがいなく私譲りだ。

 その後、妻がうまくフォローしてくれて何とか助かった。大惨事にはならずにすんだ。長女の方も、先週のこともあってか、しばらくすると落ち着いてきた。

 

 仕事から帰ってきて、子育てについて、ネットでいろいろと調べた。

「子供」「怒る」「対処」とかで検索。

 いろいろと、ためになることが書かれているのが、記事を読みながら、ふと思った。怒りの矛先が自分に向いてるとき、こんな対処ができるだろうか、と。

 冷静なとき、ネットのマニュアルのようなものを実行するのは容易いが、自分に怒ってくる相手のことを、思いやれるもんだろうか。

 これは、マニュアルを読めばいいってもんではなく、訓練すべき技術ではないか。

 普通の状況でもアンガーマネージメントに苦労してるのに、相手が自分に敵意をむき出しにしてくる状況で、マネージメントなんて、難易度Eではないか。

 私は子育てに対する意識を、少し変えねばならないな、と思った。

 本やネットで語られている真実は、真実ではあるが、マニュアルではない。理想なのだ。子供が立派な大人になるためには、100メートルを5秒台で走ればいいんですよ、とか、そういうことを言ってるだけなのだ。どうすれば100メートルを5秒で走れるようになるか、その練習方法については語られない。日々訓練するしかないからだ。

 しかし、妻は、妻に向けて敵意むき出しの娘を、愛情に満ちた眼差しで、抱きしめることができる。

 ほんと、彼女は一体何者なんだろうか。

 ちょっと頭がおかしいのではないか。

 それとも私のレベルが低すぎるのだろうか。

 

 晩飯を食べながら、今朝のバトルについて、妻と話し合った。私は言い訳するように妻に、今日ネットで学んだ知識を披露した。

「だから、子供が怒ったときは、こんな感じで対処したらいいらしいということを、俺は学んだのさ。なかなか難しいが、精神的に向上していこうと思っている。精神的に向上心のないものはバカだからね。」

 もちろん妻は鼻で笑ってくれました。

「お前、子育て何年目やねん。まだソレか。クソが。」