かにみそなまこをつまむ。

40代男子の日常、昔の思い出などについて、現在休載中

ファミリーキャンプ②

 ゴールデンウィークに家族でキャンプに行った。はじめて行くキャンプ場だったので、どうかなーと心配していたけど、なかなかいいところだった。

 私にとってのいいキャンプ場というのは、空が広いところ。きれいなトイレがあるとか、電源があるとか、あまり気にならない。ぐるりを見渡したとき、空間の広がりを感じられるところがいい。サイトが木に囲まれていたりして、視界が狭いようなところだと、せっかくキャンプに行っても、癒されずに終わってしまう。

 その点今回のキャンプ場はよかった。サイトの区画自体はそこまで広くなかったし、ゴールデンウィーク中なので全ての区画が埋まっていて、人も多かった。でも、見上げた空が広かったから、十分いい時間を過ごすことができた。

 キャンプ場では、いかに何もせずに過ごすか、が重要である。ムダな時間を過ごすためにキャンプに行く、という私なりのキャンプ哲学がある。では、無駄な時間、どうしているかといえば、ただ椅子に座ってぼんやりと空や遠くの山を眺めているのである。だから、眺めが重要なのだ。視界が狭いと、十分にぼんやりできない。ついつい考え込んでしまう。

 子どもたちは遊びに忙しいが、私も妻ものんびり過ごす。

 テントもゆっくり建てる。ちょっと建てては休憩し、休憩しては、ちょっと建てる。いつの間にかできあがっていた、というくらいがいい。

 道具も最低限のものしか用意しない。準備も片づけもめんどくさいからだ。他のキャンパーたちのテントを見ていると、びっしり道具がそろっていて、思わず、うらやましさを覚える。

 でも、たいてい、そんなテントから、パパやママたちの怒鳴り声が聞こえてくる。物に囲まれてるから、忙しくなるのだ。子どもたちが、どろまみれになろうが、食事中ごはんをこぼそうが、走り回ろうが、気にしなくていいのが、キャンプである。土に落ちた米粒は、アリさんたちが片づけてくれる。でも、テーブルや椅子の上に落ちた米粒は、アリさんたちが片づけてくれない。掃除しなければならない。何度も掃除してると、腹も立つだろう。そんな家にいるかのようなキャンプには、行きたくない。

 キャンプをはじめたばかりのころ、食事は毎回バーベキューだった。が、それもめんどくさくなって、やめた。そもそも、妻も子どももそんなに喜んでいなかった。

 あるとき、バーベキューばかりもどうかなーと思って、「キャンプの食事何がいい?」と妻と子どもに聞いたら、カップラーメンとカレーと答えが返ってきた。

 必死になって、うちわであおぎ、炭に火をつけることに命をかけていた。私のこれまでの努力は何だったのか。でも、それでよかった。結局、キャンプでは何を食べてもおいしいのだ。最近の定番は、ずっとレトルトカレーである。ガスコンロで炊いたお米がすごくおいしい。

 お酒も飲まなくなった。次の日がしんどくなるから。みんなで9時前には寝て、次の日5時には起きる。

 目指すは、家に帰ってから、疲れたー、とならないキャンプ。行くことで癒されるキャンプ。それに、キャンプ場の朝ほど幸せな時間はないのだ。お湯を沸かし、コーヒーを淹れる。明るくなるのを待ちながら、コーヒーをすする瞬間がとても好き。

 今回も暇を満喫してきた。子どもたちは遊びを満喫していた。夜花火をしたのが、特に楽しかったようだった。火が怖い、けどキレイ、を繰り返しながら、きゃっきゃ、はしゃいでたなー。