かにみそなまこをつまむ。

40代男子の日常、昔の思い出などについて、現在休載中

サラミソーセージの使い方

 泡盛とソーキそば以外の、夏の定番もある。

 サラミソーセージのサンドイッチである。

 これも、夏になるとよく作って食べる。夏にぴったりな食べ物だと思う。

 10年以上前、知り合いのイタリア人が、食パンにチーズとイタリアンサラミを挟んだだけの、ごくシンプルなサンドイッチを作ってくれたことがあった。それがめちゃくちゃおいしくて、真似して作るようになった。

 イタリアンサラミは高いので、普通にスーパーに売ってる十勝カルパスを使う。2本セットで600円くらいのやつ。他のものでもいいかもしれないが、個人的にはマトンが入っていてほしい。

 表面積が大きくなるよう、斜めに切ったサラミを食パンの上に並べ、上からスライスチーズをかぶせるだけで完成。食べにくければ、食パンを二つ折りにすればいい。トマトや、薄くスライスした玉ねぎがあれば、さらにいいが、サラミとチーズだけで充分おいしい。

 けっしてオーブンで焼いたりしてはいけない。全然おいしくならない。味つけもいらない。サラミとチーズの塩分が、絶妙なのだ。

 なぜか分からないが、夏になると食べたくなる。サラミとチーズと食パンのどこに、夏があるのか分からないが、夏だという気がする。

 子どものころ、サラミソーセージが好きだった。切って、そのまま食べたり、レンジでチンして、カリカリになったやつを食べたり。でも、それ以外に食べ方を知らなかった。サラミを使う料理なんて見たことがない。だから、スーパーの陳列棚に、ハムと同じように料理の材料ぶって並んでいることに違和感があった。お菓子かおつまみのコーナーに行けばいいのに、と思ってた。

 サラミソーセージ。

 もうそれだけで完成してる、ように思える。

 くせが強すぎるやつは、チームプレイが苦手なのだ。

 いやいや、チームプレイでもいい味だせるんですよ。ようはチームメイトの問題ですね。食パンという彼のくせを包み込むような存在であったり、チーズという同じようなくせをもつ存在であったり、3人をまとめにかかるトマトのような存在であったり。

 もしかすると、彼の個性を活かせるような、サンドイッチ以外の他のチームだって存在するかもしれない。

 この夏、サラミが熱い。

 

 

泡盛

 以前、ワインにはまっていると記事に書いたが、すでにワインのブームは去った。現在、もっぱら泡盛を飲んでいる。私は好きなものがコロコロ変わる人間なのだ。ちなみに嫌いなものはないから、変わりようがない。

 今年も泡盛の季節がやってきた。

 夏になったら、毎年、泡盛を買って飲む。暑さと泡盛は非常に相性がいい。熱中症気味の体に、泡盛のロックを注ぎこむと、体のだるさや、ほてりが、すこーんと消えていく。

 泡盛は日本酒のように、ぐでん、とならない。しゃきーんと酔う。実に陽気になる。明るくて爽やかに酔えるお酒、泡盛

 次の日も、そこまでしんどくならない。頭は空っぽで、頭の働きも鈍くなっているが、まあそれくらいでちょうどいいのだ。

 もちろん飲みすぎたらしんどい。3合飲むと、しんどくなる。2合くらいでやめておくべきだ。

 一番のお気に入りは八重泉酒造の「八重泉」だが、ここらには売ってないため、よく売られている「久米島の久米仙」を買うことが多い。味がよく似ている。泡盛には古酒なんかもあるが、買わない方がいい。古酒は深みがあって、味わい深いのだが、正直泡盛にそこまで深さは要らないと思う。あっさり、しゃきーんと酔いたい。

 泡盛のしめは、沖縄そばである。

 数年前、自宅でも簡単に沖縄そばを作れることを知った。それ以来、夏になるとよく作るようになった。

 知らなかったときは、あの出汁の味をどうするか、思いもつかなかった。でも、本当に簡単だったのだ。

 だしの素と鶏がらスープの素を半々で割って、チューブのショウガを入れるだけ。

 本当に、これだけで見事に、沖縄そばのスープになる。

 そこに、スーパーで30円くらいで売っている普通の中華麺をぶち込む。仕上げにネギと紅ショウガがあれば完璧だ。

 凝るときは、ソーキを作って、ソーキそばにする。ソーキも、圧力鍋さえあれば簡単にできる。骨付きの豚バラ肉を、麵つゆと共に、鍋にぶち込むだけだ。1時間ほど圧力鍋で煮込めば、トロトロのソーキができあがる。

 ネギと紅ショウガ、さらにソーキを載せて、ソーキそばの完成。

 食べる前に、クースのかわりにタバスコをかければ、さらに沖縄に近づける。色は違うが、どちらも唐辛子と酢からできている。味は同じである。

 泡盛で陽気になってきたころ、Youtubeを使って、沖縄民謡を大音量で流しながら、自家製のソーキそばをすする。

 あーいーやさっさ。

 蒸し暑くてうっとうしい夜のはずが、もうトロピカルな夜に変貌する。

 私だけの、とっておきの、現実逃避レシピ。

 

 

久米島の久米仙(地元でよく売られている)

 

↓本当はこっちが飲みたい 八重泉

 

 

 

七夕祭り

 昨日(7月8日)、近くの小さな神社で、祭りがあった。七夕祭り。コロナが5類の扱いになって、ようやく祭りが復活した。何年ぶりかの祭り。

 小1と小3の娘たちはそれぞれクラスメートと約束してるらしく、朝から夜が待ちきれないといった様子だった。

 私と妻も付き添って、夕方17時頃家を出た。曇り空で今にも雨が降り出しそうだった。

 数年間行われていなかったので、すっかり忘れてた。例年、この七夕祭りは雨なのだ。それもそのはず新暦7月7日前後は梅雨の真っ只中である。七夕祭りは旧暦にやるべきだ。

 小さな神社の前の公園が会場だった。小さな公園に大勢の人が集まってくる。人口密度が、大都会なみになってる。密集具合が、すでに非日常だ。

 公園には自治体のテントが10ほど、建てられていた。狭い空を、提灯が渡っている。喧噪をほんのり照らす明かりに風情を感じる。

 娘2人は浴衣を着ていた。金魚のように袖をひらひらさせて走る姿がかわいかった。

 あてものの水鉄砲で、クラスメートたちと撃ち合いをして、びしょびしょになっていた。

 妻は、ママ友たちと楽しそうにしゃべってる。

 人ごみの中をいろんな子どもたちが走り回っている。

 慎重に人を避けつつ、私はビールを買った。

 適当に場所を選んで、地蔵のように立ったまま、ちびちびとビールを飲んだ。  

 近くに笹が立てられていた。子供たちの願いごとが書かれた短冊がたくさんぶらさがっている。酒のつまみに、一つ一つを読む。

 ゲームソフトがほしいとか、ぬいぐるみがほしいなどの現実的な願いや、成績があがりますようにとか、家族が幸せになりますようになどの、七夕にふさわしい願い。

 小学校が厳しくなくなりますように、という願いがあって、思わず笑った。学校生活がしんどいんだろうなー。

 どうかこの子の願いが叶いますように。