かにみそなまこをつまむ。

40代男子の日常、昔の思い出などについて、現在休載中

ふれあい水族館

 娘たちが春休みに入ったので、さっそく家族で遊びに行ってきた(3月26日現在)。行先は、三重県にある「伊勢夫婦岩ふれあい水族館」。トドやアザラシ、セイウチといった海獣がたくさんいる水族館で、今回で5回目になる。これまで行った動物園や水族館の中で、この水族館が一番だと私は思ってる。

 動物たちとの距離感ゼロ、といううたい文句の通り、ここでは夢のような体験ができるのだ。アザラシをなでなでしたり、カワウソと握手をしたり、イルカとキャッチボールをしたり。数年前、はじめてこの水族館に来たとき私は、感動のあまり涙をこぼした。子供のころからずっと夢見てたことが、次々と叶えられていった。当時まだまだ幼かった長女のことも忘れて、私はイルカやトドやオットセイのかわいさに発狂した。発狂してはホロリと涙をこぼし、泣いては発狂するを繰り返した。かなり危険なおっさんだったにちがいない。

 あれから毎年来てる。やはり今年もたいへん素晴らしかった。娘二人も始終、顔を輝かせていた。トドやイルカもかわいかったが、彼女たちも実にかわいかった。

 ラブリーなアニマルに囲まれ、幸せの嵐に、またもや正気がとんでいきそうになったが、さすがに5回目ともなると、冷静さを少しは保てるようになってきた。展示の説明書きなどを読める余裕も出てきた。

 これまで気づかなかった良さに、気づけるようにもなってきた。ふれあい水族館なので、体験にばかり心が行ってしまうのだが、普通の魚の水槽もむちゃくちゃおしゃれで、センスが良いのだ。海獣は触れ合うものだが、水槽の魚は眺めるものに徹している。特に水族館の奥にある水槽の展示が美しかった。水草や海藻のレイアウトや、同じ水槽をおよぐ魚の組み合わせもきれいだ。何気なく座ったソファーの前のテーブルが実は水槽になっていて、泳ぐ魚たちを上から眺めながら、コーヒーを飲んでくつろげるようになっていた。どこからこんなセンスやアイデアが湧いてくるのだろう、と思っていたが、館内にいるスタッフさんたちを見ていたら自然と納得できた。

 ここのスタッフさんは本当にすごい。みな生き生きとしていて、心の底から仕事を楽しんでいる。動物園や水族館のスタッフといえば、裏方として、しかつめらしい表情をして働くというイメージがある。でも、ここのスタッフさんたちはみな、主役である動物と同じように、堂々と胸を張って、誇りをもって仕事をしている感じがした。

 触れ合い体験を成功させるには、飼い主と動物との間に、ちょっとやそっとの信頼関係があるだけでは、うまくいかないはずだ。常日ごろから、たしかな絆で結ばれているにちがいない。そして、その絆は、一般人には到底理解できない、専門的な知識や技術に支えられているのだろう。彼ら、彼女たちにしかできない仕事なのだ。

 家に帰るまで、娘たちはずっと笑顔で、大満足の様子だった。もちろん、そんな娘たちのおかげで、私も妻も幸せだった。心よりふれあい水族館とスタッフさんたちに感謝します。

 

むちゃくちゃ安くなるわけではないが、これで予約して行ってきた。500円くらい安くなった。↓